ネットニュースやSNSの一部で定期的に叫ばれる「月9オワコン説」や「視聴率凋落論」。しかし、メディアビジネスの現場データを客観的に精査すると、この言説には大きな誤解と認識のズレが存在することが分かります。
最大の盲点は、「世帯視聴率」という単一指標の形骸化を無視して語られている点です。現在、テレビ局の広告ビジネスおよび編成方針の主軸は、購買意欲の高い13歳から49歳をターゲットとした「コア視聴率」と「タイムシフト(録画)視聴」、そして「TVerをはじめとするデジタル配信再生数」へと完全にシフトしています。
世帯視聴率がひと桁台であっても、コア視聴率で同時間帯トップを獲得し、TVerのお気に入り登録数が100万人を突破、見逃し配信の総再生数が記録的な数値を叩き出している作品は、スポンサー企業から極めて高い広告価値を認められています。つまり、茶の間のテレビの前に家族全員が揃う昭和・平成初期のモデルから、個人がスマートフォンやタブレットで主体的に選んで没入する令和のヒットモデルへと、測定基準そのものが進化しているのが真相です。