近年のインバウンド観光産業の急成長を象徴する場所として、真っ先に名が挙がるのがこの地だ。日本政府観光局などのデータを見ても訪日外客数は高水準を維持しており、中でもSNSを通じた情報拡散が巨大な誘客力となっている。特にInstagramに投稿される幻想的な風景写真は世界中のトラベラーの旅心を強烈に刺激し、「死ぬまでに一度は見たい景色」として共有され続けている。
フランス発行の観光ガイドブック『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』の表紙を飾った実績や、TripAdvisorでの高い評価は伊達ではない。麓に鎮座する新倉富士浅間神社の境内を抜け、398段の階段を上り切った先に現れる忠霊塔と富士山のデュエットは、東洋の美意識を極限まで体現した構図だ。国境や言語の壁を越え、人々がこの場所を目指す理由がここにある。