ブレイク当初の彼は、いわゆる「王道イケメン俳優」の宿命ともいえるハイペースな露出を続けていた。爽やかな笑顔と甘いセリフで茶の間を魅了する一方、固定化されるパブリックイメージとの葛藤がなかったはずはない。20代後半を迎えた頃から、彼の出演作選びには明らかな選別がみられるようになった。
薄利多売のように作品へ出続けるのではなく、1作ごとに強烈な爪痕を残せる骨太な脚本や、自らの限界を試すような難役に集中するスタイルへの転換。地上波の露出が減ったように映るのは、単に作品ごとの準備と撮影に長い時間をかける「質へのシフト」を選んだ結果にほかならない。