法医学研究や救急搬送記録を分析すると、性行為に関連する突然死は、全心臓突然死のうちおよそ0.6%〜1.7%程度と報告されています。確率そのものは決して高い数値ではありませんが、誰にでも起こり得るリスクとして警戒が必要です。
特筆すべきは、発症者の男女比における極端な偏りです。国内外の解剖統計において、腹上死を起こした患者の90%以上が男性であることが判明しています。女性の発症確率は全体の5%〜10%未満と極めて稀です。この理由として、性行為時における運動強度の違いに加え、男性ホルモン動態や中高年男性における冠動脈疾患の有病率の高さが関係しています。
発症年齢のピークは50代〜60代の中高年層に集中しています。血管の老化(動脈硬化)が自覚症状のないまま進行している世代であり、若年期と同じ感覚で性行為に及んだ結果、心血管系が限界を迎えてしまうケースが後を絶ちません。