彼の俳優人生を語る上で避けて通れないのが、東野圭吾原作の『ガリレオ』シリーズだ。天才物理学者・湯川学の「実に面白い」「実に非論理的だ」という台詞は日本中に浸透し、ドラマから劇場版映画まで圧倒的な興行収入を叩き出した。変人でありながらどこか人間味を帯びた孤高の天才像は、彼独自のキャラクターメイキングの極致と言える。
一方で、是枝裕和監督とタッグを組んだ映画『そして父になる』では、カンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞。血のつながりと育ての親情の狭間で揺れるエリートサラリーマンの葛藤を、抑制の効いた演技で生々しく描ききった。華やかなスター性をあえて封印し、剥き出しの人間ドラマへと飛び込む勇気。これら過去の金字塔があるからこそ、現在の彼が演じるキャラクターには重層的な説得力が宿る。