冨樫義博という漫画家を語る上で避けて通れないのが、長年彼を苦しめている重度の腰痛という身体的制約だ。立ってペンを握る、横になった状態で原稿に向かうといった壮絶な執筆環境が明かされるたび、ファンからは心配の声と敬意が寄せられる。しかし、この制約こそが彼の表現をより洗練されたものへと昇華させている側面も見逃せない。
90年代の『週刊少年ジャンプ』を牽引した『幽☆遊☆白書』での圧倒的なバトル描写、そしてSFコメディの傑作『レベルE』で見せた尖鋭的なギャグと心理戦。彼のキャリアを彩る名作群は、常に型にはまらない革新性を持っていた。身体的な困難に直面しながらも作品づくりを諦めない情熱は、少年漫画というジャンルそのものの可能性を押し広げ続けている。