足元に広がるサラサラとした砂を踏みしめながら歩くと、背後には青々とした松林が延々と連なる。この見事な白砂青松は、偶然の産物ではない。江戸時代初期、福岡藩の初代藩主である黒田長政が玄界灘からの猛烈な潮風と飛砂から農地や集落を守るため、防砂林として松の植林を奨励した歴史が今に息づいている。
数百年もの歳月を経て根を張り巡らせた黒松の防風林は、現在も福岡市東区の海岸線を守り続ける生きた文化遺産だ。潮騒の音と松籟(しょうらい)が混ざり合う空間には、近代的なリゾート地では決して味わえない重厚な歴史の陰影が漂っている。