「付番」の読み方は「ふばん」です。一部の業界や公用文では「附番」と表記されるケースもありますが、意味に違いはなく「整理・識別・追跡を目的として固有の番号を割り振ること」を意味します。国語辞典や用例集において対義語として挙げられるのは、番号が割り当てられていない状態を指す「無番(むばん)」や、規則性のない番号を指す「乱番(らんばん)」です。
ビジネスの現場において、付番は極めて日常的なオペレーションの一環として機能しています。見積書や請求書の発行番号、商品の製造ロット番号、証券コード、社内文書の管理番号、さらにはシステム開発における顧客IDの採番など、情報資産を重複なく検索可能にするための必須基盤です。上司から「新規案件に付番ルールを定めて管理してほしい」と言われた場合、それは「誰が見ても重複せず、時系列や部署コードが一目で識別できる番号体系を作れ」という指示を意味します。
他方で、行政の領域において「付番」という語は、国民一人ひとりを公的に特定するための極めて重い意味を背負ってきました。歴史的には、1997年(平成9年)1月に導入された公的年金の「基礎年金番号」の付番が代表例です。それまで国民年金、厚生年金、共済年金とバラバラに管理されていた手帳番号を1人1番号に統合したこの改革は、日本の公的データベースにおける付番の原点となりました。そして2015年に施行されたマイナンバー(個人番号)制度によって、日本国内に住民票を有するすべての個人に対して12桁の識別番号が付番され、国家と個人のデータ連携を司る中核概念として定着した経緯があります。