福島雅典氏の提訴と発言の真相|京大名誉教授が厚労省と対立する理由

福島雅典氏の提訴と発言の真相|京大名誉教授が厚労省と対立する理由

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福島氏の主張が他の論者と決定的に異なる点は、彼が日本の近代医学界において「正真正銘の権威」であったという経歴にあります。名古屋大学医学部を卒業後、愛知県がんセンターで抗がん剤治療の黎明期を支え、京都大学大学院医学研究科トランスレーショナルリサーチ推進センターの初代教授に就任しました。基礎研究の成果を迅速に臨床現場へ届ける「探索医療」のシステムを日本国内に定着させた立役者です。

公益財団法人神戸医療産業都市推進機構の医療イノベーション推進センター(TRI)のトップを歴任し、手掛けた学術論文や著作は膨大な数にのぼります。世界基準のエビデンスに基づいたがん化学療法のガイドライン策定に携わり、日本の医療水準を国際水準に押し上げた実績は、いかなる反対派であっても否定することはできません。

それほど強固な「医学界の中枢」にいた人物が、なぜ学会本流の合意から外れる道を選んだのでしょうか。同僚医師の証言によると、「福島教授はかつてより製薬企業のバイアスや行政の事なかれ主義に対して徹底して妥協を許さない気骨の士だった」と評されています。かつてのEBM黎明期において、経験主義に頼る日本の旧態依然とした医療界を論破してきたストイックな姿勢が、今回のワクチン評価を巡る場面でも同様に発露した結果、今度は医学界全体と対峙する構図を生み出しました。

高橋 健太
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高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。