北新地の夜を締めくくるのに欠かせないのが、全国屈指の密度を誇るオーセンティックバーの存在だ。しかし、この密室空間にも静かな革命が起きている。かつて主流だった「お気に入りのウイスキーをボトルキープし、夜な夜な通い詰める」というスタイルは激減し、一杯のグラスに物語を求める「ペアリング」や「クラフトカクテル」の時代へとシフトした。
バーテンダーが差し出すのは、国産の貴重なボタニカルを用いたオリジナルジントニックや、希少なジャパニーズウイスキーのヴィンテージボトルだ。若者の酒離れと言われて久しいが、本当に価値のある一杯に対して相応の対価を払うことに躊躇しない若年富裕層や海外ゲストが、深夜のバーカウンターを埋め尽くしている。質へのこだわりは、むしろ過去最高水準に達していると言ってよい。