このブームを加速させたのは、間違いなくソーシャルメディアと料理インフルエンサーたちの存在だ。なかでも料理研究家のリュウジ氏が提唱する大胆かつ合理的なアプローチは、ちくわ料理の固定観念を鮮やかに打ち破った。バターを隠し味に使ったり、黒胡椒やニンニクを効かせたりするアレンジは、酒の肴としても米の相棒としても中毒性のある旨さを提示した。
動画共有プラットフォームのYouTubeでは、「うなぎ不要」「1人前50円で作る極上蒲焼丼」といったキャッチーな検証動画が連日数十万回以上再生されている。料理のプロセスが視覚と音でダイレクトに伝わることで、タレがフツフツと泡立ち香ばしい焦げ目がつく瞬間のシズル感がユーザーの調理欲を刺激してやまない。
国内最大級のレシピ検索・投稿サービスであるクックパッドを覗いても、その熱狂は一目瞭然だ。チーズを巻き込んだ進化系から、山芋をすり込んでより本物の魚肉食感に近づける本格派まで、投稿者たちが編み出した無数のバリエーションが競い合うように並んでいる。個人の台所から生まれた知恵が瞬時に共有され、さらなる進化を生む好循環が生まれている。