胸部X線Kerley B Linesの正体|心不全と読影の急所に関する深掘り記事を速報でお届けします。最新情報を求める方は必見です。

Kerley B lines(カーリーB線)とは、アイルランドの放射線科医ピーター・カーリー(Peter Kerley)が1930年代に提唱した胸部X線所見の一つです。解剖学的には、肺の最小単位である二次肺小葉を隔てている小葉間隔壁(interlobular septa)の肥厚を反映しています。

正常な肺では、小葉間隔壁は非常に薄いためX線写真に写ることはありません。しかし、何らかの病態によって隔壁内を走る毛細血管の圧力が上昇したり、リンパ管の還流障害が起きたりすると、隔壁内に水分(浮腫液)や膠原線維、腫瘍細胞が貯留します。これにより隔壁の厚みが通常の数十倍に達し、胸部レントゲンの透過性が低下して明確な線状影として描出される仕組みです。

画像上の典型的な特徴は次の通りです。

出現部位は主に両側の下肺野外側、特に肋骨横隔膜角(CP angle)の直上によく観察されます。走行は胸膜面に対して垂直、すなわち水平方向に伸びる長さ約1〜2cm、幅1mm前後の均一でシャープな直線です。肺門部から広がる血管影とは異なり、末梢の胸膜(肺の表面)にぴったりと接している点が読影上の大きな目印となります。