多くの大学寮が大学側の管理下に置かれるなか、熊野寮は今なお「熊野寮自治会」による完全な自主管理体制を貫いている。部屋の割り当てから寮費の集金、清掃、イベントの企画運用に至るまで、すべて学生たちの手によって決定されるのだ。
しかし、この強い自治精神は大学当局との間に絶え間ない摩擦を生んできた。近年では、湊長博総長率いる京都大学執行部との間で、寮の老朽化に伴う改修計画や自治権の範囲を巡って話し合いと対立が繰り返されている。大学側が管理の強化を求める一方で、寮生側は学生の主体性と多様性を守る城塞として自治を守り抜く姿勢を崩さない。