母娘の絆を語る上で避けて通れないのが、長女が生後まもなく直面した健康上の大きな試練である。生後わずか数カ月の頃に発症した小児脳梗塞。医師から告げられた診断と、その後に残った左半身の麻痺という重い現実に、当時多忙を極めていた菊池桃子は激しい衝撃を受けた。
「なぜこの子が」という絶望に打ちひしがれる間もなく、彼女が選んだのは徹底して娘と伴走する道だった。過酷なリハビリの日々。靴紐を結ぶ、階段を一段ずつ上がる、日常の些細な動作ひとつひとつに何百回、何千回と寄り添い続けた。メディアの前では常に穏やかな笑みを絶やさなかった彼女の背後には、想像を絶する母娘の血のにじむような努力が積み重なっていたのだ。