フェリス女学院中学校を語るうえで、まず直視すべきは入試難易度と出口実績の現在地です。大手進学教室が算出するフェリス女学院中学校の偏差値は、SAPIXで55前後、四谷大塚・日能研で62〜64前後を堅調に維持しています。2010年代以降の共学校躍進や大学付属校ブームにより、一時期のような「神奈川女子の一強独走」という数値上の突出感は落ち着きを見せたものの、依然として神奈川県内の女子完全中高一貫校における最高峰のポジションを堅持しています。
近年のフェリス女学院中学の倍率推移に着目すると、実質倍率は2.0倍〜2.3倍のレンジで安定して推移しています。2月1日午前の単一入試でありながら、安易な記念受験層が淘汰され、第一志望として綿密に対策を重ねてきた極めて密度の高い受験者層が激突する構図が定着しました。
そして保護者が最も注視するフェリス女学院中学の進学実績と東大合格者数を含む出口の状況です。1学年約180名というコンパクトな完全中高一貫校でありながら、東京大学をはじめとする国公立大学、早慶上智への合格率は際立っています。関係者の進路資料によると、国公立大学へ例年30〜40名前後、東京大学へもコンスタントに現役合格者を輩出。特筆すべきは医学部医学科への進学熱の高さであり、国公私立の医学部へ毎年二桁後半の進学実績を叩き出しています。
ただし、学校側が特定の大学受験を押しつける空気は皆無です。自著や手記で母校を振り返る卒業生たちが一様に口を揃えるのは、「受験のための学校ではなく、学ぶ喜びを知る場所だった」という事実です。目先の合格実績を競う詰め込み型進学指導とは一線を画し、生徒各自が自身の興味関心を突き詰めた結果として難関大合格を勝ち取る文化が、フェリスの底力を支えています。