現代のエンターテインメント産業は、かつてない規模の資本が動く巨大市場へと成長した。しかし制作費が高騰すればするほど、投資家やパブリッシャーは失敗を極端に恐れるようになる。その結果、市場に溢れるのは過去の成功体験をなぞった安全な続編や、無難な企画ばかりだ。
アニメーション業界においても、リスクを冒した実験的表現や尖った作風が敬遠され、過度にリスクヘッジされた作品が増加した。かつて多くの失敗作を生み出しながらも、そこから奇想天外なイノベーションが生み出されていた時代と比べ、失敗そのものが許されない風潮が強まっている。歴史に名を残すレベルの歪な大失敗すら発生しにくい環境は、一見すると健全に見えるが、実は表現の多様性や挑戦の精神を阻害する刃ともなり得る。