Q1:熱が下がってから3週間以上咳が続いています。周囲の人に風邪のウイルスをうつしてしまう可能性はありますか?
A1:通常の風邪ウイルスによる感染力は、発熱などの急性期症状がピークを迎える前後(発症から5〜7日程度)でほぼ消失します。解熱後2〜3週間以上経過して続いている「感染後咳嗽」や「咳喘息」は、気道の炎症や神経過敏によって起きている現象であり、ウイルス自体はすでに体内にいないため周囲にうつす心配はありません。ただし、百日咳やマイコプラズマ肺炎、肺結核などの特殊な感染症が隠れているケースもゼロではないため、2週間を超える場合は一度呼吸器内科でレントゲンや検査を受けておくと周囲への説明も含めて完全に安心できます。
Q2:普通の内科と呼吸器内科では、処方される薬や検査にどんな違いがあるのですか?
A2:一般内科では、聴診と問診のみで「風邪の残り」と判断され、脳の咳中枢を抑える一般的な鎮咳薬(メジコン等)や去痰薬が処方されるケースが大半です。一方、呼吸器内科では、吐いた息に含まれる一酸化窒素の濃度を測ることで「気道にアレルギー性の炎症(咳喘息)があるか」をわずか数分で数値化できる呼気NO検査や、肺活量・気道の狭さを測る精密検査が可能です。その診断に基づき、気道の炎症を直接鎮める「吸入ステロイド薬」と「気管支拡張薬」の配合剤(シムビコート、レルベア、テリルジーなど)が的確に処方されるため、治癒までのスピードに決定的な差が生まれます。
Q3:咳喘息と診断されて吸入薬を使い始めたら、3日で咳がピタッと止まりました。もう薬をやめても大丈夫ですか?
A3:自己判断での吸入中止は最も危険な落とし穴です。吸入ステロイド薬や気管支拡張薬を使うと、数日で劇的に咳が治まるため「完治した」と錯覚しがちですが、気道粘膜の奥深くにある慢性的な炎症や剥がれ落ちた線毛細胞が完全に修復されるまでには、最低でも1〜3ヶ月間の継続治療が必要です。症状が消えたからと数日で吸入をやめてしまうと、わずかな寒暖差や次の風邪をきっかけに再発を繰り返し、高確率で生涯の治療が必要となる「気管支喘息」へ移行してしまいます。医師から「終了」の指示が出るまでは、必ず指示通りの吸入を続けてください。