この情報戦が社会に残す爪痕は深い。最大の被害者は、対立候補でも標的にされた企業でもなく、日々濁流のような悪意に晒され続ける一般の市民だ。
互いが互いを「嘘つき」「売国奴」「詐欺師」と罵り合う光景を見せつけられた人間はどうなるか。「どっちもどっちだ」「政治なんて誰がやっても同じだ」という強烈な政治的無関心(ポリティカル・アパシー)に陥る。これこそが、仕掛け人たちの真の狙いである場合も多い。相手支持層の投票意欲を削ぎ、投票所に足を運ばせなくする――冷笑主義を蔓延させること自体が、民主主義に対する致命的な打撃となる。