飛騨大鍾乳洞を語るうえで外せないのが、併設されている「大橋コレクション館」です。この施設は、飛騨大鍾乳洞を発見・開発した実業家・大橋外吉氏が世界中から収集した美術品・化石・鉱物など約1000点を一堂に展示する博物館ですが、歴史上特筆すべき重大事件の現場でもあります。
2007年3月18日白昼、展示されていた時価約2億7000万円(当時)の100kg金塊が、3人組の強盗グループによってわずか数分で強奪されるという前代未聞の事件が発生しました。全国ニュースで連日大々的に報道されたこの事件は、警察の執念の捜査により犯行グループが逮捕され、金塊の一部が溶かされた状態で発見・回収されるという結末を迎えました。
現在、館内には事件の経緯を伝える詳細な解説パネルとともに、奪還後に再鋳造された金塊やレプリカが展示されており、実際に手で触れてその圧倒的な重量感を体感できる貴重な展示コーナーとなっています。単なる観光地の展示にとどまらない、生々しい人間ドラマの痕跡がそこに刻まれています。