肉体的な過酷さを補って余りあるのが、この仕事ならではの歴史的興奮だ。日本の旧石器時代の存在を証明した相沢忠洋のように、正規の学者ではない在野の発見者が歴史の定説を覆した例は枚挙にいとまがない。
佐賀県の吉野ヶ里遺跡や青森県の三内丸山遺跡のように、日本中を揺るがした大発見の現場でも、実際に土を掻き出し、遺物の輪郭を最初に目撃したのは現場の作業員たちだった。NHKスペシャルなどのドキュメンタリー番組で特集されるような世紀の発見も、元を辿れば名もなき作業員が振るった一本のヘラの先から始まっている。
「ただの濁った土だと思っていた層から、完全な形の縄文土器の縁が現れた瞬間の鳥肌は忘れられない」。長年現場に通うベテラン作業員はそう語る。自分の手で数千年前の人間が残した痕跡を掘り起こし、考古学の新たな1ページに立ち会う。その圧倒的なリアリティこそが、多くのリピーターを引きつけてやまない魔力だ。