半世紀の時を経て、かつての夢の街が直面したのが「ニュータウンの高齢化」と「オールドタウン化」という厳しい現実です。一時期メディアで「ゴーストタウン化」と騒がれた現象の背景には、ニュータウン特有の構造的要因が存在します。
開発初期に30代前後の同世代世帯が一斉に入居したため、住民が一斉に年を重ねる「人口構成の歪み」が生じました。子ども世代が独立して都心部へ流出すると、街には高齢者のみが取り残される事態に陥ります。さらに、初期に建設された4〜5階建ての階段室型団地にはエレベーターが設置されておらず、高齢住民の「団地内難民化(階段の上り下りが困難で外出できない状態)」が深刻な社会問題へと発展しました。
加えて、建物の老朽化に伴う空き家問題や、住民の免許返納による移動手段の喪失、近隣商店街のシャッター通り化が重なり、利便性の低下が若者の転入を阻むという負のスパイラルが発生。これがオールドタウン化の本質であり、世代交代の仕組みを組み込めていなかった計画都市の弱点が浮き彫りになった瞬間でした。