SNSにおける「バズ」は、どうしても自己ブランディングやインセンティブの影がちらつく。インフルエンサーの発言は計算され、コメント欄もフォロワーの目を意識した「行儀の良い」ものになりがちだ。対照的に、匿名の掲示板には忖度のない本音と、時に過激で、時に抱腹絶倒のユーモアが野放しにされている。
世間の裏側に潜む世論、公式発表の行間にある違和感、あるいは日常のどうでもいい雑談。そうした無加工の感情のひだに触れられることこそが、現代のネットユーザーが求めてやまない体験である。洗練されたニュース解説よりも、見知らぬ誰かの切実な体験談や突拍子もない大喜利にこそ、時代の生々しいドキュメンタリーが宿る。