今回の裁判で最大の法理的争点となっているのが、刑法上の共同正犯の成立要件とその責任の範囲だ。自ら直接激しい物理的暴行を加えなかったとしても、犯行を共謀し、役割分担のもとで事件を推進したとみなされれば、全体の暴行結果に対して重い刑事責任を負うことになる。
被告が被害者を呼び出した行為は単なる待ち合わせだったのか、それとも暴行を予期した「誘い出し」だったのか。共犯者間での意思疎通や了解がどの時点で成立していたのかについて、検察官は被告のスマートフォンに残された通信記録や行動履歴を突きつけながら、共謀の存在を立証しようと試みている。