劇場版第25話「Air」の幕開けは、従来のロボットアニメやヒーロー映画の常識を根底から覆すものでした。舞台はNERV本部内の病室。使徒との度重なる戦闘や、自らの手で渚カヲルを手にかけたショックから完全に心を閉ざした碇シンジは、精神崩壊を起こして眠り続ける惣流・アスカ・ラングレーのもとを訪れます。
助けを求めるようにアスカの肩を揺さぶるシンジでしたが、無反応のまま倒れ込んだ拍子にアスカの病衣の前がはだけ、胸元が露出してしまいます。その無防備な肉体を目にしたシンジは、呼吸を荒らげながら自慰行為に及び、射精に至ります。直後、自らの手のひらに飛び散った白濁した液体を見つめ、震える声で絞り出したのが「最低だ、俺って…」という呟きでした。
映画の開始わずか数分で突きつけられたこの描写に、劇場に足を運んだファンは凍りつきました。主人公がヒロインに対して行う行為としてはあまりにもタブーであり、逃げ場のない生々しさが観客を圧倒したのです。