「動け」「動いて」というフレーズは、実は第19話以外のシーンでもシンジの口から形を変えて発せられています。
物語の原点である第1話「使徒、襲来」では、歩くことすらままならない初号機の中で、恐怖に震えながら機体を前進させようとする場面がありました。また、第6話「決戦、第3新東京市」(ヤシマ作戦)においても、第5使徒ラミエルの加粒子砲を前にして息を呑み、ポジトロンライナースナイパーライフルの照準を合わせる極限状態で機体と自らを鼓舞しています。
シンジにとってエヴァンゲリオンを「動かす」という行為は、単なる兵器の操縦ではなく、自らの存在意義を証明し、周囲の世界とつながるための切実な対話そのものでした。だからこそ、第19話の極限状態で飛び出した「動け、動け、動け!」というストレートな叫びが、何層もの重みを持って観客の胸を打つのです。