本作のメガホンを取った庵野秀明監督の精神的極限状態は、フィルムの隅々にまで焼き付いている。テレビ版放映終了後に巻き起こった熱狂、過激なバッシング、そして監督自身に向けられた脅迫の数々。それらすべてを受け止め、庵野秀明という作家が選んだのは、アニメーションという虚構の中に実写映像を差し込み、映画館で作品を観ている観客自身の姿をスクリーンに反射させるという前代未聞の演出だった。
現実へ帰れ――そう叫ばんばかりの構造は、クリエイターが観客に対して投げつけた最大の愛憎入り混じるメッセージに他ならない。アニメというシェルターに閉じこもるファンに対し、傷つくことを恐れずに生身の現実に踏み出せと促すその姿勢は、表現者の誠実さの極致であり、同時に受け手にとっては強烈な劇薬であった。