飛翔時のシルエットや肉眼で確認できる体のディテールにも、生態に合わせた明確な差異が現れています。
目立つ特徴のひとつが、胴体の太さと毛の有無です。蝶は全般的にスリムで細身の胴体を持ち、体表の毛も目立ちません。対照的に蛾は、ずんぐりとした太い胴体を持ち、全体がフサフサとした毛(感覚毛や鱗粉が変化したもの)で覆われている種が多く見られます。夜間の冷え込みから体温を維持し、超音波を放つ天敵コウモリの探知を乱すための吸音材として機能していると考えられています。
翅の美しさや質感を決める鱗粉の構造と役割も見逃せません。蝶の鱗粉は太陽光を反射して構造色を発色させ、仲間同士の認識や求愛に利用されることが多いのに対し、蛾の鱗粉は外敵から身を隠す高度な保護色(カモフラージュ)や、撥水・保温のために役立てられています。