耳の後ろにある骨(乳様突起)の周囲には、耳介後(じかいご)リンパ節と呼ばれる小さなフィルター組織が複数存在しています。通常は直径数ミリ程度で外から触れても分かりませんが、ウイルスや細菌が体内に侵入しようとすると、免疫細胞である白血球やリンパ球が急速に増殖して戦闘を開始します。これが、耳の後ろがぽっこりと膨らみ、押すと痛い理由の根幹にある免疫メカニズムです。
アイシークリニックをはじめとする形成外科・皮膚科専門医の臨床報告でも、耳の後ろの腫れを訴えて来院する患者の多くは、外耳道や頭皮の微細な傷、咽頭の炎症からリンパ節に細菌・ウイルスが侵入した急性リンパ節炎と診断されています。リンパ節の被膜が急激に引き伸ばされるため、指で圧迫した際に強い圧痛やズキズキとした拍動痛が生じるのです。
ただし、すべてが一時的な炎症で片付くわけではありません。以下のような状態が見られる場合は、放置厳禁の危険な病気のサイン詳細まとめに該当するため、直ちに警戒レベルを引き上げる必要があります。
- 急速な腫大と熱感:数日のうちにウズラの卵大(2cm以上)まで急速に肥大化し、皮膚が赤く熱を持っている。
- 痛みのない硬いしこり:押しても痛みがなく、まるで石や軟骨のように硬く、周囲の組織に癒着して動かない。
- 随伴症状の併発:38度以上の高熱、寝汗、全身の倦怠感、あるいは顔の半面にピリピリとした違和感や麻痺が出ている。
- 開口障害・嚥下痛:口を大きく開けられない、唾液を飲み込むだけで激痛が走る。