矛盾した言動を平然と繰り返す人の内面には、一見すると分かりにくい特有の心理が働いています。主な行動原理は次の3つに集約されます。
第1に、極端な保身と承認欲求です。「誰からも嫌われたくない」「有能で人当たりの良い人物だと思われたい」という意識が強すぎるあまり、その場の全員に良い顔をしようとします。結果として、あちらこちらで相反する約束や同調を繰り返し、自ら発言の辻褄を合わせられなくなります。
第2に、損得勘定によるマウンティングと権力への迎合です。自分にとって利益になる人物(上司や有力者)には盲従するような意見を述べる一方で、利害関係のない相手や部下には真逆の横柄な態度を取るなど、相手の立場によって発言内容を瞬時に変質させます。
第3に、罪悪感の欠如とその場しのぎの思考回路です。二枚舌を使う人の多くは、「嘘をついている」という自覚が希薄です。「その場を丸く収めただけ」「相手に合わせてあげた」と脳内で都合よく正当化するため、後から矛盾を指摘されても悪びれる様子を見せません。