管轄である奈良県警察が主体となって進められた現場捜査は、事態の深刻化に伴い警察庁刑事局との広域連携へと発展した。だが、組織間の縦割り構造がもたらした情報共有の摩擦は、想定以上に深刻だったと関係者は証言する。
広域捜査の指揮系統において、現場から上がってくる微細な目撃情報が中央のデータベースへ吸い上げられる過程で脱落していった。奈良県警察の現場捜査員が掴んでいた独自の感触と、警察庁刑事局が主導する大枠の捜査方針とのギャップ。この組織の死角こそが、初期捜査における決定的なタイムロスの要因であったと見られている。