名店の暖簾を守る現場では、寸分の狂いもない仕込みが毎日繰り返されている。油揚げは厳選された国産大豆から作られる肉厚なものを用い、余分な油を丁寧に抜いた後、秘伝の割烹出汁とザラメ、醤油で数日間かけてじっくりと煮含められる。酢飯には適度な粘りと粒立ちを誇るブレンド米を採用し、赤酢や合わせ酢の塩梅を季節の湿度や気温に応じて微調整する。
現在の店舗で定番として高い人気を誇るのが、稲荷寿司とかんぴょう巻きを端正に詰め合わせた「助六」スタイルの折詰だ。神田ではレンコン入りのシャリが放つ小気味よい食感が際立つ四色・六色の詰め合わせが手土産の定番であり、人形町では芳醇な出汁を含んだふくよかな稲荷と、じっくり煮締めたかんぴょうのコントラストが見事な折が支持を集める。購入の際は、特に週末や行楽シーズンには事前予約が賢明だ。夕方には売り切れる折詰も多いため、午前中から昼過ぎの受け取りを狙うのがスムーズである。