安定した音を鳴らすための核心となるのが、法螺貝の唇の形とアンブシュア(口周りの筋肉の使い方と唇のフォーム)です。金管楽器の基礎理論と山伏の伝承を融合させた、最も効率的な唇の作り方を整理します。
まずは法螺貝の吹き口の構造と当て方の基本から確認していきましょう。法螺貝の先端には「歌口(うたぐち)」または「口金(くちがね)」と呼ばれる金属製(真鍮など)や木製の吹き口が装着されています。この吹き口の内径に合わせ、次のような手順でアンブシュアを形成します。
口を軽く閉じ、口角(唇の両端)を軽く横に引いて引き締めます。このとき、「イ」と「エ」の中間のような形を意識し、口角の筋肉で唇を歯列へ適度に密着させます。ただし、唇の中央部分だけは絶対に力を入れず、柔らかく保つことが最大のコツです。中央までガチガチに固めてしまうと、息を通しても唇が柔軟に振動できなくなります。
次に、唇の真ん中、またはご自身が最もバズィングしやすい位置へ吹き口を水平に当てます。押し付ける強さは「息が横から漏れない最小限の圧力」に留めてください。強く押し付けすぎると唇の血流が止まり、振動が阻害されてバズィングが消滅してしまいます。この状態で法螺貝の腹式呼吸と息の使い方を連動させ、下腹(丹田)にグッと力を込めたまま、細く鋭いスピード感のある気流を吹き口の中心へ送り込みます。