朝食市場の拡大を力強く後押ししているもう一つの要素が、外国人観光客(インバウンド)とZ世代の存在だ。特に日本独自の「和の朝食文化」が、現代的な解釈を加えられてグローバルな評価を獲得している。
炊きたての羽釜ご飯に、出汁の効いた味噌汁、旬の焼き魚、小鉢に盛られた色彩豊かな惣菜たち。こうした伝統的な和定食が、クラフトマンシップを感じさせる洗練された空間で提供され、InstagramやTikTokなどのSNSを通じて世界中に拡散されている。「Japan's Ultimate Morning Experience」として海外メディアで特集されることも珍しくない。
海外からの旅行者にとって、ホテルの標準的なビュッフェではなく、街のこだわりの店舗で食べる本格的な和朝食は、日本の日常文化を深く体験できる贅沢なアクティビティとなっている。また、Z世代にとっては、過度な酒類消費を控える「ソバーキュリアス」のトレンドとも合致し、休日のブランチをSNSに投稿することが一種のステータスとなっている。