では、栄養面の切り口ではどうだろうか。家庭で炊いたご飯とパックご飯の間に、致命的な栄養差は存在するのだろうか。健康・栄養学の専門家である管理栄養士は、「主成分である炭水化物やタンパク質、脂質などの3大栄養素に関しては、家で炊いたご飯とほとんど変わりません」と解説する。
かつてNHK「食の安全」取材班が放送した特集でも、無菌包装米飯の栄養保持率の高さが話題を呼んだ。高圧殺菌の過程でビタミンB1などの水溶性ビタミンがわずかに減少する可能性はあるが、それは家庭で米を研いだり炊飯器で長時間保温したりする過程で失われる量と大差がない。毎日食べたとしても、それ自体が直接的に健康を損なう原因になるとは言い難い。強いて言えば、手軽すぎるが故に「ご飯ばかり食べて大皿のおかずや野菜が不足する」という偏食のリスクこそが、実質的な健康被害の正体と言えるだろう。