事態の発端は、奈良市立小学校に通っていた児童が同級生らから日常的な嫌がらせや金品の要求、身体的苦痛を伴う暴力を受けるようになったことでした。被害児童は登校に対して強い恐怖心を抱くようになり、心身の不調を訴えて医療機関を受診する事態に追い込まれました。
保護者が学校へ異変を直接申し入れ、早期の解決を求めたものの、学校側の初動は極めて鈍いものでした。事態の悪化に伴い、被害児童は長期の欠席を余儀なくされ、文部科学省のガイドラインに抵触する「いじめ防止対策推進法第28条の重大事態」へと発展しました。
事態を重く見た奈良市教育委員会は、事案の全容解明に向けて中立的な弁護士や臨床心理士などの外部有識者で構成される第三者委員会の設置を決定しました。この調査開始により、水面下に潜んでいた学校組織の機能不全と指導実態が次々と浮き彫りになっていきました。