米沢守という男は、特命係の無理難題を愚痴りつつも引き受ける最高のお手伝い役だった。しかし、シーズン14を最後に彼は警察学校の教官へと転身し、レギュラーの座を退くこととなる。当時は「水谷豊との不仲説」や「制作陣との確執」といったゴシップが一部で報じられたものの、実際の理由は極めて役者として誠実なものだった。
六角精児本人が後に明かしたところによれば、15年近く同じ役を演じ続ける中で、劇団「扉座」での舞台活動や自身の音楽活動とのスケジュール調整が難しくなったことが大きな要因だという。一つの役柄に縛られすぎることへの危機感もあった。役者としての足腰をもう一度鍛え直したいという情熱が、安定したレギュラー降板という決断を後押ししたのだ。決して後ろ向きな降板ではなく、前向きな卒業であったことが窺える。