この風習を一躍世界に知らしめたのが、2001年公開のスタジオジブリ映画『千と千尋の神隠し』だ。作中、ハクの体内から吐き出された銭婆(ぜにーば)の契約印に巣食う「タタリ虫」を、千尋が無意識に足で踏みつぶしてしまう場面がある。
それを見た釜爺は血相を変え、「えんがちょ!千、えんがちょ!」と叫んで千尋に両手の人差し指を合わせさせ、自らの手刀で間を叩き割りながら「切った!」と清めてみせた。宮崎駿監督は、日本古来のアニミズムや民俗儀礼を巧みにアニメーションへ落とし込むことで知られるが、このシーンはまさに「禍々しい呪いや穢れを物理的に祓い清める古典的な作法」を忠実に再現した名場面である。