美食としての開花と並行して、地球規模の課題解決という冷徹な要請も昆虫の食卓進出を加速させている。国連食糧農業機関 (FAO) は、急速な人口増加に伴う世界的なタンパク質危機を解決する切り札として、早い段階から昆虫の活用を強く提唱してきた。従来の畜産業に比べて温室効果ガスの排出量が圧倒的に少なく、必要な飼料や水の消費量も極小で済むためだ。
この動きに連動するように、急成長を遂げているのが代替タンパク質産業である。世界中のベンチャーキャピタルが巨大な資金を投入し、高効率な養殖プラットフォームの開発に凌ぎを削る。肉や魚に代わる単なる代用品という枠組みを超え、環境負荷を最小限に抑える地球に優しいサステナブルフードとしての絶対的な地位を確立しつつある。