検索エンジンやSNS上には、いまだに「多発性骨髄腫=余命3〜5年の治らない病」という過去の固定観念が散見されます。しかし、血液内科学会の最新エビデンスに基づけば、この認識は明確な誤解です。
新規薬剤と分子標的薬による治療革命
2000年代以降、プロテアソーム阻害薬(ボルテゾミブ等)や免疫調節薬(レナリドミド等)の登場で治療成績は急上昇しました。さらに近年では、がん化した形質細胞の表面抗原を狙い撃ちにする抗体薬(ダラツムマブ、イサツキシマブ)が第一選択薬として広く導入されています。
二重特異性抗体とCAR-T細胞療法の衝撃
従来の治療法で効果が得られなくなった難治性・再発性の患者に対しても、患者自身のT細胞を遺伝子改変して攻撃力を高めるCAR-T細胞療法(シルタカブタゲン オートルユーセル等)や、がんと免疫細胞の双方に結合して攻撃を促す二重特異性抗体が実用化されています。これにより、複数回の再発を経ても再び「完全寛解(腫瘍が検出限界以下になる状態)」を目指せる時代へと突入しました。