国際オリンピック委員会 (IOC) や国際サッカー連盟 (FIFA) といった巨大統括団体も、旧来のビジネスモデルに安住しているわけではない。若年層のテレビ離れが叫ばれて久しい中、彼らが危機感を募らせているのは「関心の希薄化」だ。フルタイムの試合観戦に拘束されないショート動画の消費傾向や、eスポーツの急速な台頭に対抗すべく、統括団体自らが独自のデジタルハブを構築し始めている。
従来の放映権料収入に依存した構造から、ファーストパーティデータを活用したダイレクト・トゥ・コンシューマー(D2C)型プラットフォームへの移行。これこそが両団体が描く生き残り戦略の核心だ。大会期間外であってもファンとの接点を維持し、アーカイブ映像や限定コンテンツをパーソナライズして提供する。巨大メガイベントのあり方は、数年に一度の祝祭から「365日繋がるデジタルコミュニティ」へと進化を遂げている。