彼のキャリアを語る上で欠かせないのが、テレビ朝日系で放送された『仮面ライダーウィザード』だ。東映が誇る伝統の特撮ヒーロー枠で主役の操真晴人役を射止め、絶望に立ち向かう「最後の希望」を全身全霊で体現した。当時の撮影現場は連日早朝から深夜に及ぶ過酷なものだった。だが、アクロバティックなアクションと繊細な心理描写を見事に両立させ、瞬く間に全国の視聴者を魅了した。
白石隼也という名が特撮ファンの記憶に深く刻まれたのは、単にビジュアルが華やかだったからではない。スーツアクターとの息の合った連携、変身前の佇まいに宿る圧倒的な説得力。特撮というジャンルの壁を突き破り、一人の人間ドラマとして作品を昇華させた彼の手腕は、今なお語り継がれる伝説となっている。