読売新聞グループ本社の歴史を語るうえで、渡邉恒雄主筆の存在を抜きにすることはできない。政界や社会に絶大な影響力を及ぼしてきた圧倒的な報道姿勢と、徹底した事実主義。山口寿一社長は、この強靭なグループのDNAを直に受け継ぎながらも、新たな時代の要請に応じた「静かなる改革」を淡々と進めている。
権力に対する鋭い対峙と、社会の安定を担う論説の重み。これらは時代が変わろうとも揺るがない読売の柱だ。伝統を固守することと保守的であることは意味が異なる。山口社長が指揮を執る組織変革は、渡邉主筆が築き上げた巨塔の強みを引き継ぎつつ、硬直化しがちな大組織の血流を滑らかにする挑戦でもある。