駅を降りて改札を抜けると、どこか懐かしい昭和の風情が残る商店街が広がる。だが、侮るなかれ。あびこ駅周辺は、ここ数年で個人経営の実力派居酒屋や鳥料理専門店が急増し、大阪市内でも指折りの高密度な串焼きストリートへと変貌を遂げた。
家賃や固定費を抑えられる郊外立地だからこそ、店主たちは浮いたコストを惜しみなく仕入れに注ぎ込む。都市部の一等地なら倍の値がつきそうな高級銘柄鶏が、日常遣いの価格でテーブルに並ぶ。この圧倒的なコストパフォーマンスこそ、地元住民のみならず、遠方からわざわざ地下鉄を乗り継いで客がやってくる最大の理由だ。