志望校として検討する保護者や生徒が最も知りたいのは、そのリアルな選考実態と教育環境だろう。昼夜間定時制(1部・2部・3部)と通信制では、学習スタイルも求められる自己管理力も大きく異なる。それぞれの実態を細部まで紐解く。
まず入試制度における最大の特長は、中学校の調査書(内申点)や学力検査の点数のみで合否を決定しない点にある。選考の中心は面接と志願申告書、そして作文だ。「過去にどれだけ学校へ通えたか」ではなく、「これからこの学校で何を学びたいか」という未来への意欲が厳しく、かつ温かく問われる。それゆえに人気は凄まじい。特に日中に授業が行われる第1部や第2部では実質倍率が2倍前後に達することもあり、決して「誰でも簡単に入れる学校」ではない。入念な面接対策と、志望動機を言葉にする訓練が不可欠となる。
学費面における安心感も際立つ。都立高校であるため、国の就学支援金や都の授業料軽減助成制度を活用すれば、実質的な授業料負担は大幅に抑えられる。教科書代や諸経費を含めても年間数万円から十数万円程度で通学を継続できる環境は、経済的な不安を抱える世帯にとって極めて大きな救いとなっている。
そして、最も注目すべきは「進学実績の裏側」だ。かつて定時制といえば就職中心という固定観念があったが、現在の同校は大きく異なる。GMARCHや日東駒専をはじめとする四年制私立大学への合格者をコンスタントに輩出しているほか、デザイン・IT・看護などの専門学校への進学率も高い。総合型選抜や学校推薦型選抜を利用し、自らの不登校経験や挫折からの立ち直りストーリーを自己PRの強力な武器へと転換させる進路戦略が功を奏しているのだ。