実写ドラマ版の脚本を手掛けたのは、繊細な人間ドラマに定評のある羽原大介氏です。全10話という限られた放送枠のなかで、原作の膨大なエピソードをどのように再構成したかが評価の分かれ道となりました。
原作やアニメ版では、第一部「与太郎放浪篇」から過去編である「八雲と助六篇」、そして現代へと戻る重層的な構成がじっくり描かれます。ドラマ版では八雲の過去回想と助六・みよ吉との愛憎劇に主軸を置く構成へ大胆に整理され、テンポ感を重視した展開が採用されました。
この取捨選択により、初見のドラマ視聴者にとっては「スピーディーで感情移入しやすい」と好評を得た一方、原作を隅々まで愛する読者からは「キャラクターの細やかな心情変化や、落語の演目ごとの背景描写が削られてしまった」という指摘を受けることになりました。この構成の違いこそが、原作派とドラマ派で感想が分かれた本質と言えます。