悲劇をそのまま悲劇として終わらせない。その真骨頂が遺憾なく発揮されたのが、著書『もうあかんわ日記』だ。怒涛のように押し寄せる人生のトラブルやアクシデントに対し、「もうあかんわ」と叫びながらも踏みとどまり、ペンを走らせる姿勢は多くのファンに勇気を与えた。
彼女が紡ぐ文章は、読者が抱える日常の鬱屈や生きづらさをそっと包み込む。言葉の端々に漂うのは、自虐や諦念ではなく、現実をなんとか面白がろうとする執念だ。つらい出来事すらもネタにして笑い飛ばす軽やかさは、従来の出版業界におけるエッセイの枠組みを心地よく壊し、新たなジャンルを切り拓いたと言っても過言ではない。