ひみつ道具だけでなく、「ドラえもんというロボットそのもの」を創り出す試みも、世界のロボティクス研究者たちによって加速しています。
二足歩行技術や自律動作に関しては、テスラ社の「Optimus」やFigure AI社のヒューマノイドに見られるように、不整地の歩行や繊細な手先作業、視覚情報をリアルタイムに判断しての自己補正が驚異的な精度で達成されています。ドラえもんのような丸みを帯びた親しみやすいデザインと、家庭内で安全に共存できるソフトロボティクスの研究も急速に進展しています。
最大の争点となっているのが「ドラえもんの心(感情と自意識)」の実装です。現代の対話型AIは、まるで感情を持っているかのように共感し、機転の利いた言葉を返せます。しかし、それは膨大な言語データから確率的に最適な返答を導き出しているに過ぎず、「ロボット自身が内発的な欲求や恐怖、本物の喜びを感じているか」という問いに対しては、まだ科学的な答えが出ていません。ドラえもんのように「のび太のために本気で怒り、本気で泣く」パートナーロボットの誕生には、認知科学と脳神経科学のさらなるブレイクスルーが待たれます。