本棚に全巻を並べたときに真価を発揮するのが、黄色い背表紙に小さく描かれたドラえもんのイラストです。
ドラえもん背表紙イラスト一覧を細部まで観察すると、ただ同じキャラクター画像を使い回しているのではないことが分かります。初期の1〜5巻あたりでは、少し胴長で昭和レトロなタッチのドラえもんが描かれており、巻が進むにつれて頭身が整い、丸みを帯びた現代的なフォルムへと洗練されていきます。
また、背表紙の小窓の中でドラえもんが見せる表情やアクション(ウインクする、どら焼きを食べる、ネズミに驚いて飛び上がる、道具を掲げるなど)は、背表紙単体でもひとつのアニメーションのように楽しめます。このグラフィックデザインの遊び心こそ、子どもたちが「次の巻を手に入れたい」と強く惹きつけられた最大の心理的要因と言えるでしょう。