「赤報隊事件 統一教会 関係」という構図が長年語り継がれる最大の理由は、事件が発生した1987年当時の緊迫した社会的背景にあります。当時、朝日新聞は旧統一教会による「霊感商法」や過度な献金集めについて、全国紙の中で最も踏み込んだ批判的スクープを連打していました。この報道に対し、教団およびその政治組織である「国際勝共連合」は激しい抗議活動を展開し、朝日新聞社前での街宣活動や不買運動を大々的に展開していたのです。
そうした極限の対立状態の中で起きたのが、朝日新聞阪神支局襲撃事件でした。犯行に使われたのは12番ゲージの散弾銃(レミントンM1100)であり、弾丸には散弾粒を加工した特製の改造実包が使用されていました。計画的かつ軍事的な手際の良さから、捜査本部は「言論報道に強い恨みを持つ組織的背景」「銃器の扱いに長けた人物」「反共・過激思想の持ち主」というプロファイリングを策定し、統一教会と右翼の繋がりを視野に入れた捜査が進められることになりました。
さらに、当時の教団関係者が日本国内で空気銃や散弾銃の所持許可を取得していた実態や、一部信者が射撃訓練を行っていたとする証言が浮上したことで、「教団内部の武闘派による犯行ではないか」という疑惑がメディアや警察内部で一気に現実味を帯びることとなったのです。