冬の脱水症状の最大の特徴は、発汗量が少ないため本人も周囲も気づきにくいという点だ。夏場は暑さで自然と喉が渇き、水分を取る行動につながるが、冬は寒さで喉の渇きを感じにくい。さらに暖房の効いた室内は湿度が20〜30%まで低下することがあり、皮膚や呼気から想像以上に多くの水分が失われている。医学的にはこれを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼び、安静時でも1日約900mlの水分が皮膚と呼吸から蒸発しているとされる。これが暖房の効いた乾燥環境ではさらに増加する。
加えて、冬は体を温めるために血管が収縮し、血流が悪くなりがちだ。すると腎臓への血流も低下し、尿の生成量が変化する。寒さでトイレが近くなる「寒冷利尿」も重なり、体内の水分バランスは夏以上に崩れやすい。特に2026年は暖冬傾向の一方で室内暖房の効きが強く、室内外の温度差が大きい環境が増えている。この寒暖差が自律神経を乱し、喉の渇きを感じるセンサー自体を鈍らせている可能性も指摘されている。